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このように素敵な仕上がりになるとは想像していなかったほどのジャケット。
届いた時には「わぁ~、すてきね~~」と歓声が上がるほど…
こちらのジャケットはハイブランドな既製品ではありません。
オーダーメイドで作らたものですが、洋服の生地を裁断して作られたものではありません。


あるものを活かす取り組みへの発想

実はこのジャケットは父が生前着用していた着物をリメイクしたものです。
新品の反物からではなく、着物をリメイクしてジャケットにしました。
着物は生地の質もよいので、軽くて着心地もよく、しかも柄の雰囲気が十分に生かされた個性的なデザインになっていることにも満足しています。


呉服店ですから、皆様に着物を着用していただくことはとても嬉しいことですが、昨今着物は特別な時に着用するといった、人生のイベントの衣装となりつつあることも現実です。きっと、箪笥に入れっぱなしという方も多いのではないでしょうか。
しかし、着物は素材の種類が豊富なうえ、質の高いものが多いことをご存じでしょうか。


着物使われている代表的な絹
訪問着や振袖など高級着物は絹が使われています。光沢があり、軽くて柔らかく滑らかな風合いがあります。調湿性、保温性に優れていて、衣服に最適な素材です。着物は薄くても暖かく感じるのは、絹の繊維その物が熱を伝えにくく、繊維の隙間に空気が含まれているせいです。身体にも馴染みやすく、身体のラインが美しく見えるので、フォーマルドレスにリメイクするとよい素材です。
夏の着物リメイクを楽しめる麻
麻は通気性、吸湿性、速乾性に優れていて、さらりとした肌ざわりで夏に着用される衣服として最適です。通気性がいいので、汗をかきにくいので、夏のお出かけにも向いています。水に強いのでご自宅でお洗濯できます。伝統美が表現された着物柄で夕涼みのお出かけも楽しくなりそうです。

このような質感のよい着物が箪笥に眠ったままではもったいないものです。
着物を着ないから箪笥にしまい込んだまま、しかし、新しい洋服は購入する。
現在では当たり前のことですが、高品質な素材をそのまま眠らせておかず、着物を洋服にすればよいのではないかと考えて、相談させていただいたのが、ぎゃらりい伊万里の創業者、深川芳子さんです。


裏地も付き、細部にわたって丁寧な仕上がり

深川芳子さんは、布の美しさの追求も深く、絣、藍染、麻やアジアの伝統的素材を使い伝統的な素材を今に活かした創作服を展開されています。
早速、父の着物を見ていただき、深川さんにアドバイスをいただいて、採寸して仕上がってきたのがこちらのジャケットです。
裏地も付いていて、細部にわたって丁寧な仕上がりに大満足しました。

既に父が亡くなって随分と経ちましたが、クローゼットにかけてあるこのジャケットを見るたび、父の着物姿を思い出します。
着物リメイクはそんな家族の思い出も再生してくれたように感じています。


ファッションを楽しむことは人が潤いのある生活をするために必要なことです。
新たに新しいものを求める前に、「今、あるもの、持っているもので新しいものを創り出す」ことも考えてみるのもよいものです。
それこそ、私たちができるサスティナブルなアクションの一つです。
届いたジャケットを箱から取り出した時の感動や高い満足感は、新調したものを得た時とはまた違ったものであり、単に洋服が仕上がったということだけではありませんでした。先代の何十年も前の着物をこうして今、新しいものとして着用できることに、着物のすばらしさを改めて感じたものです。


着る人の気持ちを高める一着


端から見ればわからないことなのかもしれませんが、プロセスや価値が着ている人の気持ちを高めてくれます。それこそ、おしゃれの本質ではないでしょうか。
そしてそれは、自分本位なことばかりではなく、人、社会、環境にとって持続可能な発展につながるサスティナブルな取組であるからこそ、自他共に価値のあることです。
今日も素敵な一日のために、こだわりの一着で過ごす、大人の素敵な過ごし方です。


和箪笥に眠ったままの着物はございませんか?


季節の変わり目でもあり、そろそろ夏物を揃えておきたい時期です。
一度、和箪笥をのぞいてみてください。
もう、着物としては着ないけど、これを夏用のワンピースにするといいなあ~と思われるような着物がございませんか?是非、ご相談ください。



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